【「フランスいにしえの吐息」に寄せて⑧再掲載致します】
平素お世話になっております。
弊社新譜「フランスいにしえの吐息」をご愛顧くださり、ありがとうございます。
来る10月19日(日)
「フランスいにしえの吐息」発売記念演奏会を行います。
それまでの期間、
2023年に同タイトルで行った演奏会に寄せて
藍原ゆきがその時の心情を綴ったものを
順次掲載いたしますので、
ご一読いただければ幸いです。
演奏者の、その一時の気持ちを通じて
今回の演奏会を身近に感じていただければと思います。
演奏会の方も
何卒、よろしくお願い申し上げます。
フィアンメッタレーベル事務局
✨CD発売記念演奏会のご案内✨
『フランス いにしえの吐息』
ヴィオラダガンバとチェンバロが織りなす、フランス古楽の香り高き世界へ——。
このたび、CD『いにしえの吐息 – France, the ancient sigh』の発売を記念し、演奏会を開催いたします。
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🎶【発売記念演奏会】
マラン・マレ:組曲 ニ短調(1686年)/組曲 ロ短調・ニ長調(1701年)
クープラン:第27オルドル ロ短調(1730年)
日程:2025年10月19日(日)
時間:開場 13:30/開演 14:00
会場:今井館 聖書講堂
〒113-0021 東京都文京区本駒込6丁目11-15
入場料:全席自由 4,000円
ヴィオラダガンバ:藍原ゆき
チェンバロ:渡邊温子
🔗 お申し込み・お問合せ:
https://yuki-aihara.com/contact
※※※
「フランスいにしえの吐息」に寄せて⑧
マレは「ヴィオール曲集第2巻」で
恩師であるサントコロンブとリュリに
それぞれトンボーを捧げています。
今回のプログラムでは、
「リュリ氏のトンボー」と
それを含む組曲ロ短調を取り上げます。
※※※
バロック音楽の一つの形式である「トンボー」は
主にはリュート、
そしてチェンバロやガンバのために
書かれているので
他の楽器奏者さんにとっては
馴染みがないものかも知れません。
「トンボー」の語源は
フランス語で「墓」を意味して
偉人の死後、その業績を讃えたり
哀悼を表しています。
拍子感はかなりゆっくりで、瞑想的です。
起源は葬送のパヴァーヌに見ることができます。
「哀しみ」や「痛み」を表現した
イタリアの「ラメント」とは少し違い
訪れる死を象徴した反復音形や
魂の苦悩や、その超越を象徴する
全音階、もしくは半音階の
上昇、下降音形など
死生観をも意識した内容の
レトリック的な表現が伴います。
一時、廃れますが
М・ラベルの「クープランの墓」(1917)など
20世紀に入ると
再び用いられるようになりました。
※※※
1702年に発表された当時
「トンボー」は、すでに
形式としては古典的なものでした。
「リュリ氏のトンボー」は
主題が、十字架を形作る音形になっています。
そしてマレが愛した、ため息のフレーズ
全音階どころじゃない、跳躍の上昇、
なぜか「サントコロンブ氏のトンボー」の主題などが
惜しみなく取り入れられています。
こうして、「トンボー」の定義を
改めて振り返ると
組曲の前奏曲からして
すでにトンボーの気配を感じます。
※※※
余談ですが、私はどうしても
この組曲の前奏曲、最初のフレーズが
モンテヴェルディのマドリガル
「come sei gentile」の冒頭に
似ている気がして…
イタリア時代の恩師に
そのネタで連絡をしたら
「あー、わかる、わかるよ」と
言ってもらえました。
「ラメント」との比較のように
イタリアものと違った
美意識の価値基準があったとも言われますが
いずれにしても、
刺激や類似点もあったかと思います。
マレの「ヴィオール曲集第2巻」には
今回は取り上げませんが
有名な「スペインのフォリア」も
収められています。
昔から
どうしてわざわざ
「スペインの」と
つけているのかな?
と、疑問でした。
なにも言わなくても
フォリアは「スペインの」なわけだから。
ルイ14世は正室がスペイン人なので
忖度したのかなとも思いましたが
もしかして、直前に
「イタリアのフォリア」が
発表されたからなのかな、とも思います。
つまり、
A・コレッリの「ラ・フォリア」を含む
「ソナタ集作品5」のことです。
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