お世話になっております。
昨日は、「フランスいにしえの吐息」CD発売記念演奏会を、無事に終演致しました。
ご来場くださったお客様、開催において多大なご協力をくださった方々、応援くださいました皆さまに、心より感謝申し上げます。
先月から、この演奏会に自分の中心軸を合わせた過ごし方をしていました。そして心に呼び起こされるのは、このプログラムに取り上げた演目を、温子さんと作っていく過程での思い出、そして当日お客様と共有できることの期待でした。
私たちは決して、CD化するためでも、演奏会をするためでもなく、ただ音楽家としての足許の見つめ、内観の積み重ねと、過去の作品への畏敬の念を合わせ、一つ一つ演奏して、ここに導かれました。
その日々は振り返ると、宝石のようで、道中においては「越えられない壁」かと思われたものも、作品、フレーズ、音と向き合っているうちに、いつの間にか越えていた、不思議な期間でした。
当日のお客様はとても温かく、会場全体がにこにこと朗らかな空気が漂っていたことが、印象的でした。
演奏中は不思議な感覚で、お客様との共鳴、共有の中に、曲が、演奏のテンポとは別に、細部まで細かく見えて、「ただ、そこにあるべきものがある」という気がしました。こういう経験を積んでいくことで、私は奏者として成長できるのではないかと思いました。
通奏低音を全曲、渡邊温子さんのチェンバロのみで演奏していただいたことも、大きかったと思います。ノリや勢い、安易な盛り上がりに委ねることなく、どこまでも掘り下げて演奏解釈、表現追求できたこと、それは稀に見る恵まれた準備環境だったと言えるでしょう。具現化する中で、時に置いていかれてしまう「心」というものを、常に傍らにおいて、自分に偽りなく隅々まで構成できたこと、それが今回の演奏会を、ただ幸せに満ちた想いで迎えられた理由だったと思います。
引き続き、「フランスいにしえの吐息」は、CDに刻まれた物語として残ります。何卒、お客様の素敵なひとときのお供でありますように。
そして、今はまた新しい物語の始まりでもあります。これからも温かく見守って、応援してくださいますよう、お願い致します。
藍原ゆき
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