三沢栄一様を訪ねて ― 製作者からの継承
ヴィオラ・ダ・ガンバの詩魂・藍原ゆきが、日本古楽黎明期を支えた先達、三沢栄一様を訪ね、その歩みと想いを辿る記録。
資料も楽器も乏しかった時代に、音楽への情熱と信念で道を切り開かれた方々がいた。
そのおかげで今、私たちは「古楽を日常に感じる時代」に生きている。
三沢様のベルトランモデルをお預かりしたご縁から始まった“静かな継承”の物語を通して、
古楽という文化の深層と、現代に息づく敬意の形を記していきます。
【製作者からの継承】
現在、音庵では三沢様の大切な楽器をお預かりしている。これからも、この楽器を通じて、沢山の音楽作品が奏でられ、沢山の人と共鳴していくことを願いながら。
今回、三沢様が心を通わされた、この楽器の製作者について触れてみたい。
Peter Hütmannsberger(ペーター・ヒュートマンスベルガー)略歴
オーストリア出身の弦楽器製作家。リンツに工房を構え、主にヴィオラ・ダ・ガンバを中心とした古楽弦楽器の製作・修繕を手がけた。
オリジナル楽器の研究と再現に深い関心を持ち、単なる複製ではなく「楽器そのものの精神を捉えること」を信条としていた。
> “The main emphasis in my work is not only to produce copies, but to capture the spirit of the original instruments.”
(私の仕事の主眼は、単にコピーを作ることではなく、オリジナルの楽器に宿る精神を捉えることにある。)
2006年、山梨古楽コンクールにヴィオラ・ダ・ガンバ製作家として招待出展。
その作品は高い完成度と音楽的感性によって高く評価された。
2013年冬、彼は愛する山での登山中に事故に遭い、静かにこの世を去った。
生涯の中で残した作品群は、今も世界各地の奏者たちの手により息づいている。
まとめはこちらから
https://note.com/shiny_dahlia839/m/m5a866ffd81c0
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