こんにちは。ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者、藍原ゆきです。
このサイトでは、私の演奏活動、音楽教室を紹介しています。
ヴィオラ・ダ・ガンバは、ルネサンス、バロック期に広く活躍した弦楽器です。ガット弦による繊細な響きを持ち、旋律も重音も豊かに奏でることができる特性を生かした作品が、数多く伝わっています。
私がヴィオラ・ダ・ガンバに興味を持ったのは、中学生の頃でした。演奏会に足を運び、一人一人の音が、対話のように織り成すアンサンブル、楽器と奏者が一体となり、生きた音楽が現れる独奏曲に、深い感動を覚えました。
高校は専門を学ぶ希望が叶い、音楽理論科にて学びました。忘れられかけた古楽器が復興され、熱い息吹が込められた古楽演奏の歴史を知り、畏敬の念を抱きました。
卒業後はイタリアの音楽院に留学し、以後9年間、現地の音楽院で学びながら各地で演奏活動をして、研鑽を積みました。
ヴィオラ・ダ・ガンバが生まれ、愛され、文化的に花開いた土地での演奏活動は、大切なことを教えてくれました。ヴィオラ・ダ・ガンバは、現代の人々から遠い所にあるものではなく、今を生きる私たちの心に寄り添い、求めれば求める程に、深く染み渡っていくということ。
現在は拠点を日本に移し、演奏活動と音楽教室を開いています。
東京の「音庵」は、京王線、東急世田谷線下高井戸駅から、徒歩3分の所にあります。趣味から音楽専門まで、様々な方が学ばれています。レッスン用の楽器もご用意しているので、まだ楽器がない方も始めることができます。ヴィオラ・ダ・ガンバの個人レッスンを中心に、チェンバロを使用したアンサンブルも可能です。教室主催の演奏会も回を重ねて、生徒さんたちが、専門家による通奏低音と共演し、お客様に演奏を聴いていただくという機会になっています。
「楽庵」は、長野県茅野市、森の中にあります。ヴィオラ・ダ・ガンバの個人レッスンも行っていますし、生徒さんが滞在して、日常から離れた空間で音楽を深める場所でもあります。
2020年に世界を震撼させた未知の感染症で日常が変わり、ヴィオラダガンバ奏者として何ができるのか、自問自答する日々でした。その中からYouTubeチャンネルを開きました。動画制作、発表ということでは、わからないことだらけでしたが、周囲に助けられながら続けています。ご視聴いただければ幸いです。
私は、人と「心を通わせることができた」と感じるとき、「ヴィオラダガンバを弾いてきて良かった」と、なによりの喜びを覚えます。今日まで大きなお支え、身に余る幸運もたくさんいただきました。これからも、人の心に響く演奏を目指して活動していくことが、ご恩返しになると信じております。
東京都立芸術高等学校音楽理論科卒。在学中、ヴィオラ・ダ・ガンバを平尾雅子に師事。卒業後、イタリアに渡る。
ミラノ市立音楽院、ローディ音楽アカデミーでR・ジーニに師事し、トリノ国立音楽院にて、G・バレストラッチ指導の下で学位を取得。P・ピエルロ、W・クイケンのレッスンを受ける。
在学中より演奏活動を行い、2002年にミラノで、マラン・マレのプログラムを組んだソロリサイタルを行い、好評を博す。スロヴェニア、インスブルク、パンパラート等、各地の国際古楽音楽祭にて演奏会に出演、サッサリ国立音楽院に招かれ、演奏会および講義を行う。R・ジーニ、K・ブッケ、C・ミアテッロなど、現地で多数のアーティストの活動に参加。
2006年より、活動拠点を日本に移す。いくつも録音を発表するなど、室内楽及び、ヴィオラダガンバの独奏レパートリーを手掛ける。同時に後進の育成にあたり、音楽教室「音庵」「楽庵」を主宰する。