2024.10.16
「Tヒュームの世界」に寄せて③

「Tヒュームの世界」に寄せて③
(memento mori 死を忘れることなかれ)

ここで、ヒュームが心を寄せた人物について
手がかりを追ってみたい。

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第3代ペンブルック伯
ウィリアム・ハーバート
(1580〜1630)

ヒュームは1605年、ロンドンで
主にヴィオラダガンバの作品集である
『第一アリア集』を出版した際に、
第3代ペンブルック伯
ウィリアム・ハーバートに献辞を捧げた。

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先生、芸術と芸術への愛は絶えず結びついています。ですから、あなたではなくあなたの美徳を求める人々のささやかな努力を受け入れることは、あなたの高潔さにとって不名誉なことではありません。私自身は、褒め言葉の域を出ない教育を受けてきましたし、不自然に膨れた話であなたへの熱意を言葉で表現することもできません。私の人生は軍人であり、私の怠惰は音楽に捧げられてきました。私はここで、その両方をあなたの最も価値ある自己に捧げます。私は受け入れるつもりはありません。なぜなら、偉大な心は軽蔑からも卑劣からも遠いことを知っているからです。あなたの美徳について述べて終わります。

※※※

そこから4年経過した
1609年に
ウィリアム・シェークスピアが『ソネット集』を出版し
「唯一の父親」(the onlie begatter)である
WH氏にそれを献上した。

それがウィリアム・ハーバードであるか
研究者の間でも意見が割れるが
作中に現れる「漆黒の淑女」(dark lady)とは
ハーバードの愛人、メアリー・フィットンで
あった説が有力視されている。

ヒュームの作中に見られる詩的な言葉選び。

そこに、2002年にBBCが行った「100名の最も偉大な英国人」投票で第5位となった
劇作家、詩人との関連を見いだしたくなるのは
一奏者の、歪んだ思い入れなのかも知れない。

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【演奏会のご案内】

藍原ゆきのヴィオラダガンバ カフェ
Tヒュームの世界

2024/11/17(日)13:30開場、14:00開演

3500円(要予約)ワンドリンク&お菓子付き

会場:カフェヴェルデ
東京都世田谷区松原3-33-5
京王線、東急世田谷線下高井戸駅より徒歩3分

プログラム:トバイアス・ヒューム
『フランス、ポーランド等の第一アリア集
(キャプテンヒュームの音楽的ユーモア)』より
1605年ロンドン出版
「一つの問い」「一つの答え」
「キャプテンヒュームのパヴァーヌ」
「愛の別れ」
「死ぬこと」「生きること」「再び善きこと」他

お問い合わせ、お申し込みはこちら
http://yuki-aihara.com/contact

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https://note.com/shiny_dahlia839/m/m50242624b53b

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