2019.10.26
朗読と演奏の世界

少し遅くなりましたが、
10/14に、朗読と演奏した
ご報告をさせて下さい。

悪天候で日程が変更になりましたが
そういう連絡も、ご予約下さったお客様には
図書館が個別にして下さったので
私たちは、作品作りに専念できました。

朗読のテキストは、
芥川龍之介「蜘蛛の糸」と「魔術」。
「蜘蛛の糸」は子ども時代に触れたとき
その言葉の美しさがとにかく印象的で
当時の想いが蘇ってきました。

「魔術」は、今回取り上げることになり
初めて読みました。
インド人の魔術師が登場しますが
まるで、バロック時代のヨーロッパ人が
東洋の文化にときめきを持って思い巡らせたことと
重なるような気がして面白かったです。

解明したり、白黒つけたりできない
不思議な世界が、どこか近くにある、
それを美しく、リアルに、お洒落に描いた
芥川龍之介の二作品に曲を入れるのは
とても楽しいことでした。

シターはバロック声楽作品によく見られる
バッソ・オスティナートをもとに創作しました。
ガンバは、ヒューム、フォルクレ、シンプソンから
いくつか曲を選んでみました。

「ヴィオラ・ダ・ガンバ初めて聴きます」という方に
演奏を聴いていただくこともよくあり
その責任の重さを感じ
「私のようなものが…」という想いに
ときに潰されそうになりながら
自分にできることはなにか、工夫しています。

その中で、やってみたかったのが
朗読と演奏することで
今回一歩が踏み出せたこと、嬉しいです。

朗読の野田さんと最初にお会いしたのは
確か、チェンバロの渡邊温子さんと
青梅市の美術館でマレを演奏した時でした。
もう、10年近く経つでしょうか。

実際に「朗読と演奏する」というと
演奏についても新しい引き出しが必要な訳で
時間を経て、作品に取り組む運びとなったこと
タイミング的に、きっとベストなのでしょう。

また、手探りではありますが
朗読と演奏の世界をお届けできるように
頑張ります。