「フランスいにしえの吐息」に寄せて③
シェンク三昧の日々から
マレの音作りに
少しずつ、切り替わってきました。
チケットも、ご注文いただいていて
とても嬉しいです。
これからの日々
準備を重ねて行きますので
よろしくお願いいたします。
私はヴィオラダガンバしか弾かないので
音楽史上、決して広い範囲を
レパートリーにできるわけではないけれど
それでも、テオルボとのデュオで取り組んだ
シェンクの世界から
マレの初期作品に移ると
飛行機で違う世界に移動したような
風景の違いを感じます。
シェンクからマレの世界に戻って
最初に、1巻のd-mollから入りました。
まずは、そこから
そしてその立ち位置で
2巻の組曲も見たかったのです。
♬♬♬
生涯にわたり
5冊のヴィオール曲集を発表したマレは
印象に残る性格的小品を含む
多くの組曲を残しました。
コレッリのそれと
ほぼ発表時期を同じとする
壮大な「スペインのフォリア」
フランスの庭園か
もしくはギリシア神話のイメージなのか
「迷宮」。
そして、それを含む「異国趣味の組曲」は
三拍子のアルマンドや
アルマンドとジーグを同時に弾いたり
モーツァルトの様な遊び心を思わせる
新しい試みに溢れています。
以前、何気なく「タモリ倶楽部」を見ていたら
マレの「膀胱結石手術図」が取り上げられて
嬉しかったです。
当時、マレ本人が施術を受けたらしい
そして、その経験を
ガンバの表現技法の拡大と重ねて
曲にしてしまおうという発想は
今の時代の、どんな分野の人から見ても
純粋に、面白いことなのだなと思いました。
と、マレの作品について
いくら話しても言葉が足りませんが
今回、個人的にブランクを経て
また、演奏会でマレを取り上げられることになり
どうしても演奏したかったのは
1巻の、一番最初の組曲d-mollです。
(続きます)
#フランスいにしえの吐息