「フランスいにしえの吐息」に寄せて⑩
マレと数秘術
今回、演奏する
2巻の「リュリ氏のトンボー」は
ちょうど、99、100ページ目に当たる。
ただそれだけで
私は鳥肌が立つ想いがする。
※※※
18世紀のフランスでは
特にマルセイユ地方で、盛んに
タロットカードが作られて
普及していた。
そもそも、ゲーム用だったタロット。
現存する最古のタロットは
北イタリアのもので
ゲーム用というより
芸術作品として息を呑む美しさだ。
バッハの作品が数秘術と関連があることは
有名だけれど
マレが活躍した当時のフランスにも
数秘術と関連した認識があったと思う。
タロットの理論で数字をなぞると
「1」でエネルギーが生まれ
「2」で初めて前が見える。
「3」で混沌から対象が認識され
同時に、枠や制限も朧気に生じてくる…
※※※
今まで、目の前のことに精一杯だったけれど
やっと、落ちついて
勉強ができるようになった。
ずっと勉強したかった
専門レパートリーに関連する
時代背景、思想を深めていきたい。
大人になった今、
新しいものの見方、考え方に触れる時
今の自分の立ち位置、あり方から
時にはギャップを楽しみつつ
共感したり、刺激を受けて
ただの固まった知識ではなく
現在に生きるメッセージとして
捉えることができる大きな喜びを覚える。
※※※
タロットは、20世紀初頭に
「黄金の夜明け団」によって
「ウエイト・スミスタロット」として
ユダヤ教や古代エジプトなどの理論を取り入れ
新たな産声を上げることとなった。
占い用でも、ゲーム用でもない
魔術系タロットの誕生である。
「魔術」というと
なにか中二病的な響きに聞こえるが
「魔術」とは、本当はなんのことだろう。
数世紀前は、自分の職業さえ
自分で決めることはほぼあり得なかった。
大きく様子が変わった今の時代、
「魔術」の意義とはなんだろう。
私達はそこに、
なにを見出すことができるのか。
私の大好きなタロティストは
現代の「魔術」をこう定義している。
無意識に固定化された
ものの見方を改めて
複数の視点で俯瞰して捉えることで
気づきを得ていく
それによって、環境を変えていく力
#フランスいにしえの吐息