2023.12.15
「ドゥマシの熱い鼓動」全国販売開始前に

皆さん、こんにちは。

今日は、新譜の話をさせて下さい。

12/24に全国販売開始ですが
その前に、ご縁をいただいた方々に発送して
お声をいただいています。
嬉しいひと時です。

この段階で初めて見えるもの
形として捉えられるものがあります。

私がどういうドゥマシを弾きたかったか
そこだと思うのですが。

ドゥマシは、序文をしっかり書いていて
理論書としてボリュームがあり、
それと真逆ではありますが
史実としてわかっていることが
あまりに少ないです。
本名、生没年もわからず
残したのは一冊の「ヴィオル曲集」のみ、
あとは、ほかの音楽家が語っている
僅かな文章から察するのみです。
出版当時、高齢で
仕事の集大成として出版したので
おじいさんのイメージもあるのでしょうか。

私は、今回の企画を
最初から自分で構成したので
ドゥマシの作品のみを取り上げられたこと
とても、幸せでした。
ぜひ、ここだけの世界観を表したくて
この作品の特徴はいくつかありますが
「無伴奏」による
対話的要素をあげようと思います。

ヴィオラダガンバ1台に向かっていると
ちょっとした変化も大切に感じられます。
気持ちを鎮めて集中したかったので
楽庵に籠もって録音しました。
(第二組曲は除く)

日常と離れて
楽器のちょっとした張り感や
響きがどう伸びているかを探りながら
演奏しました。

演奏のセオリーから言うと
「先にイメージして」弾き始めるものですが
それが作為的に思われるほど
楽器との対話は存在感がありました。

録音をお願いしたエンジニアさんのご提案で
切り貼りなしで
通しで録ったことも大きかったと思います。
最初の音、楽器の掴み方で
微妙にテンポも呼吸も変わるので
通しでないと繋がらないし
録れないのです。

私は最近
デザイン、写真、美術の方と接する中で
ありがたい刺激を感じるのですが
美術の方は、瞬間瞬間に
自分が見える世界を大切にして
感じ取る能力を常に磨いていると
交流する中で、思います。
そのあり方へのリスペクト、憧れも
こうして形になったのかも知れません。

ドゥマシの「ヴィオル曲集」は
膨大な曲数で
今回は前半を録音しました。
後半は、いつ頃録ろうかなと
まだ、ちゃんと決めていないのですが
他の企画で、新しいことに気づいて
新しい自分になってから
取り組んでいきたいなと思っています。

それでは12/24
「ドゥマシの熱い鼓動」販売開始
どうぞよろしくお願いいたします。