来週の「テレマンの宴」に寄せて
ヴィオラダガンバソナタの解説を書きました。
当日は、紙面の都合で
抜粋で載ると思いますが、
全文をアップします。
お楽しみ下さい。
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ヴィオラダガンバとリュートの演奏として、「ヴィオラダガンバソナタト長調TWV41:G6」を取り上げる。これは『忠実な音楽の師』〈Der getreue Musik-meister〉からの出典で、1728年から1729年にかけて発表された、様々な編成のための作品集である。テレマンはソプラノのヴィオラダガンバを想定していたようであるが、バスでの演奏事例も多い。
テレマンという、一人の音楽家に焦点を当てると、彼の当時馳せた国際的名声を裏付けるかのように、作曲スタイルの幅広さが浮き彫りになるが、このソナタはイタリア的性格を思わせる。
1楽章「シチリアーノ」で演奏の拍子感を妨げないように注意深く配置された重音、2楽章「ヴィヴァーチェ」では分散和音により、ヴィオラダガンバが最もストレートな響きを有する所を多用した上で、優雅な和声感が展開される。3楽章「ドルチェ」はレチタティーヴォを思わせる自由さがあり、架空の歌詞を思わずイメージさせる。それに続く4楽章「スケルツァンド」は、器楽的でありながら、ダ・カーポアリアの様でもある。
今回はリュート1台による通奏低音で、その魅力が一番発揮されやすい曲を、と思い選択した。ヴィオラダガンバもリュートも、その起源は諸説あるが、「ヴィオラダマーノ」に原型の一端をみるのであれば、両者の属性が近いことも頷け、響き合い共鳴し合う二重奏としての共演をお楽しみいただければ幸いである。