【「フランスいにしえの吐息」録音プロジェクトに寄せて⑦】
エンジニア様が一生懸命作って下さった音源に
向き合いきれない日々が続いた。
再生する機器によって、はもちろん
理由はわからないけれど
その時によって
クローズアップされる事柄が違うから。
大切な判断をするために
少し、時間をいただいた。
そして、昨日の夜
「そろそろいいのでは?」と思った。
今回のプロジェクトでも
「自分の理想」を具現化することは
私にとって、なんの意味もない。
そうじゃなくて
その都度、自分のお役目や
やるべきこと、できることを見出していく
そこが大切なのだと思う。
自分の脳みそ枠で捉えず
もっと大きな拡がりで捉えたい。
※※※
気持ちが定まった。
あの葛藤はどこへ行ったのかと思う程
きちんと判断がついた。
前作のドゥマシに引き続き
今回のマレも切り貼りなしで弾いている。
一期一会の演奏
生み出される音楽の瑞々しさ
それは、奏者個人から生じたものでもなく
だからこそ
奏者の手を離れて、
沢山の人の心に届いて欲しい。
録音の時、その瞬間を
外から眺めるのは
まだ、自分の立ち位置が安定して見つからない。
でも、この段階だからこその葛藤から
気づきがあるとも信じている。