2024.10.01
「Tヒュームの世界」に寄せて①

「Tヒュームの世界」に寄せて①
(memento mori 死を忘れることなかれ)

Tヒュームは、作曲者としては異色の
軍人として生きた人物だった。

私は、彼が海軍に傭兵として勤めたと聞いていたけれど
そしてそれについて、根拠を調べたけれど
見つからなかった。

出生に関してもわからないことが多く
イギリス人、スコットランド人、諸説あり
きちんとしたことは言えない。

当時のイギリスは
海軍を強くしようとしていたことは事実だったようで…

酒場でちょっと武勇伝を語ったりした日には
そのまま強いお酒を勧められ
気持ちよく飲んでいるうちに意識を失い
気がついたらぐるぐるまきに縛られていて
そのまま海兵隊に入隊させられた、と
そういう例が沢山あったらしい。

私が、学生の時にイメージしていたヒュームは

船の中にヴィオラダガンバを持ち込み
都市を離れた海上で
まるで詩を書くような気持ちで
たくさんの曲を書いたのだろうな
そしてそれを陸に上がった時に出版したんだな
彼が海で感じた世界はどのようなものだったのだろう…

大人になった今
その時の想いを言語化すると
独特の背景を持つ彼の死生観に
演奏者として少しでも触れたかったのだ。

(続く)

【演奏会のご案内】

藍原ゆきのヴィオラダガンバ カフェ
Tヒュームの世界

2024/11/17(日)13:30開場、14:00開演

3500円(要予約)ワンドリンク&お菓子付き

会場:カフェヴェルデ
東京都世田谷区松原3-33-5
京王線、東急世田谷線下高井戸駅より徒歩3分

プログラム:トバイアス・ヒューム
『フランス、ポーランド等の第一アリア集
(キャプテンヒュームの音楽的ユーモア)』より
1605年ロンドン出版
「一つの問い」「一つの答え」
「キャプテンヒュームのパヴァーヌ」
「愛の別れ」
「死ぬこと」「生きること」「再び善きこと」他

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