今回の新譜「いにしえの吐息」は
長い期間をかけて温めてきたプログラムで
私達は、CD化の前に演奏会をしました。
沢山の、温かいお客様に囲まれて
このプログラムを演奏できたことは
録音に際しても、心の励みになりました。
演奏会に向けて書いていた文章を
ここでまたご紹介したいと思います。
今読み返すと
当時の想いが蘇って
なんとも言えない気持ちになります。
お付き合い下さい。
「フランスいにしえの吐息」に寄せて②
先程、印刷所からチラシが届きました。
これを開封するのは
楽しい瞬間です。
今回のチラシは、旧友の橋本直子さんに
デザインをお願いしました。
写真家であり
抽象画作品を勢力的に発表しています。
私達は、中学校の同級生です。
一緒に過ごした時期はちょうど
バブル崩壊直後に当たります。
世の中の価値観が大きく変わる様子は
多感な中学生だった私達に
どう映ったかはご想像ください。
私はその中で古楽と出会い、演奏の道を志した
大きな転機でもありました。
その半面、自分の想いや気持ちを言葉にするのは
いつも手探りで、迷走ばかりして
苦しいことも多い中学時代でしたが
周りに流されず、自分軸を持つ直子さんの存在が
どれだけ心強かったかわかりません。
彼女は自分の製作発表がライフワークで
演奏会のチラシデザインは
異文化交流の様な創造感覚だったかも知れません。
そこで、なんとも言えず奥行き深い質感の
包まれるようなデザインにしてもらって
とても、嬉しいです。
今回は、美しいチケットも作りました。
利便性などをから
チケットレスな流れがある中
あえて、時代と逆行する形になります。
You Tube動画を配信した時
動画を作ることは初めてだったので
手探りで、家族が撮影してくれた写真を使ったりして
自分でなんとかできることを重ねて
工夫したことは
思い返しても愛おしい。
なにか、そこへ繋がる
忘れることのない思いを
あえて、時代と逆行しながら
形を変えて記せたら素敵だと思いました。
(続きます)
2023年7月6日記
France, the ancient sigh
ヴィオラダガンバ 藍原ゆき
チェンバロ 渡邊温子
ご注文、お問い合わせはこちら
https://yuki-aihara.com/contact
disk1
マラン・マレ
「1台もしくは2台のヴィオルのための曲集」1686年パリ
Marin Marais
“Pièces a une et deux violes” 1686 Paris
組曲ニ短調 Suite in D minor
「ヴィオルと通奏低音のための曲集第二巻」1701年パリ
“Pièces de violes & basse-continues du second Livre de pieces de Viole” 1701 Paris
組曲ニ長調 Suite in D major
disk2
フランソワ・クープラン
「クラブサン曲集第四巻」1730年パリ
François Couperin
Quatrième Livre de Pièces de Clavecin
第27オルドルロ短調
Vingt-septième Ordre in B minor
「ヴィオルと通奏低音のための曲集第二巻」1701年パリ
“Pièces de violes & basse-continues du second Livre de pieces de Viole” 1701 Paris
組曲ロ短調
Suite in B minor
Recorded at 17,18,19/04/2024 Studio Piotita Tokyo
Japan
使用ヴィオラダガンバ
Michel Colichon, Paris 1693年モデル
Pierre Bohr, Milano 2001年製製作
使用チェンバロ
Pascal-Joseph Taskin モデル
Eizo Hori, 1989年作製
調律、調整 横溝昌一
Producer Yuki Aihara, Atsuko Watanabe
Co.producer Atushi Sano
Mixing engineer Kazuhiko Nakao
Mastering engineer Kazuhiko Nakao
Art director Yoshiyasu Miyano
Photographer Yoshihiko Sakai
fiammetta 2024 FMOE-003
#フランスいにしえの吐息