2025.03.11
「ドゥマシの熱い鼓動」に寄せて①

今年も、ヴィオラダガンバカフェを開きます。

今度は、「ドゥマシの世界」と題しまして
2023年に発表した「ドゥマシの熱い鼓動」の
収録曲、及び未収録曲を合わせ
プログラムを組みます。

アルバム作成に向ける時間は
今思うと、様々な想いが交差し
簡単に言葉にすることはできません。

音楽史上、
決して注目されている作品とは言えない
ドゥマシの「ヴィオル曲集」のみで
アルバムを作ったこと
誤解を恐れずに言えば、
自分の愛のみで
アクセルを踏み続けたのかも知れません。

それを、沢山の方々に
温かく向かえていただき
感謝してやみません。

当時の手記をご紹介させて下さい。

※※※

「ドゥマシの熱い鼓動」に寄せて①

ドゥマシは1685年に出版された「ヴィオル曲集」で知られる
17世紀にフランスで活動した
ヴィオラダガンバ奏者です。

伝えられている情報は少なく
生没年は不明で
更にはフルネームも伝えられていません。

彼の「ヴィオル曲集」では
序文に楽器の奏法や装飾に関する細かい説明があり
その日本語訳全文は
関根敏子先生と神戸愉樹美先生による
「ジャン・ルソー著、ヴィオル概論」で見ることができます。

私は高校時代にこの本と出会いました。

タイトル通り
ジャン・ルソーの「ヴィオル概論」が主に扱われていますが
その背景に
1680年代のフランスで
次々ヴィオラダガンバの出版物が花開いたこと
そのトップバッターとしてドゥマシ、
そして彼とルソーが奏法や作曲技法について
濃密な議論を交わしたことが
丁寧に説明されています。

私がイタリアで勉強していたときも
この本を持っていきました。
ドゥマシの楽譜は、
今はウェブ上で誰でも見ることができますが
私が学生の時はそういう状況ではなかったので
初めて彼のファクシミリをコピーできた時は嬉しく
日本語訳と併せてイメージを馳せたものです。

私は現地で
R・ジーニ先生とG・バレストラッチ先生に
ご教授いただきましたが
どちらの先生もフランス語が堪能で
ドゥマシの序文に関して
沢山の質問をさせていただきました。
「あなたはフランス語を解さないのに、どうやって読んでいるの?」と
不思議がられましたね。

この時に
学術的なことを踏まえて
奏者の立場で文献を読む時に
ただ資料を受け止めていくことではない。
楽器との対話、
常に張り巡らせる音楽の探究心
立証できないものをどこまでも感じ取ろうとする
膨大なエネルギーが必要なのだと
美しく、鳥肌の立つものを感じました。

(続きます)

#ドゥマシの熱い鼓動

2023年7月24日記

藍原ゆきのヴィオラダガンバカフェ
【ドゥマシの世界】

2025年5月18日
13:30開場、14:00開演
3500円ワンドリンク、スイーツ付き
カフェヴェルデ
京王線、東急世田谷線下高井戸駅より徒歩3分

プログラム
ドゥマシ「ヴィオル曲集」1685年パリ出版より

2023年に発表したCD「ドゥマシの熱い鼓動」、ご好評いただき感謝しております。今回は収録曲から組曲を一つ、そしてCD未収録の組曲も一つ選んで、プログラムを組みました。
ドゥマシの物語はまだ続きます。応援よろしくお願いいたします。

お申し込み、お問い合わせ
https://yuki-aihara.com/contact

#ヴィオラダガンバカフェ2025
#ドゥマシの世界