4/15に発売の「音楽現代5月号」で
推薦としてお取り扱いいただいている
「フランスいにしえの吐息」
許可をいただいて
こちらで推薦文をご紹介致します。
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著者名と掲載雑誌名が
わかるようにお願いします。
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推薦 なかなかに味わい深い曲集だ。ヴィオラ・ダ・ガンバと言えば、現代では、中低音域中心に、ひなびた音を奏でる古楽器というだけのイメージで捉えられている場合もあるが、当ディスクの演奏を聴くとそれは覆されるだろう。音域や音量も広く豊か、ニュアンスに富む音色、そして弦の張力や張り方等にも起因しての、和弦、重音の魅力、装飾音を生かしての旋律のたっぷりした歌わせ方、…M・マレの組曲では、フランス、ルイ王朝期の音楽美の再認識をも導くような演奏。F・クープランのクラヴサン曲の演奏も、たとえば〈至上〉から〈けし〉へと移り行く曲想変化などに、快適な背景音楽以上の存在感を生み出しており、時代を映す名品の現前として、充分に聴き応えがある。
筆者・茂木一衞
『音楽現代』2025年5月号掲載
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