「楽の戯れ」に寄せて➀
Jシェンクは1660年に
オランダのアムステルダムで生を受けました。
演奏会のご案内にはGシェンクとなっていますが
これには今回の演奏会テーマである「戯れ」と関係があるので
追々、触れていきます。
どうぞ、楽しみにしていて下さい。
彼は高い技術を誇るヴィオラ・ダ・ガンバ奏者であり
当時のアムステルダム市民の協力により
数多くの室内楽、及びヴィオラ・ダ・ガンバの独奏曲を出版しました。
一方で、初期のオランダ語によるオペラ
及び、オランダ語の歌曲集も残したことも
伝わっています。
彼の作風について
今回、いくつか資料を当たる中で
イギリスやボエミアの
弦楽奏法の流れを組んでいると
そういう見方をしているものもありました。
それはそうとして、
私が感じていたのは
曲集の個性や作風の特徴が大きくて
演奏会で断片を取り上げてお伝えするのが
とても難しいということです。
あくまで、個人的な見解ですが。
私は、シェンクの
複合的で立体的な楽器の使い方が
とても好きで
機会があれば取り上げたいと思っていましたが
なかなか、他の楽器の方々とご縁をいただいて
アンサンブル中心のプログラムで
演奏会に携わるとき
「ガンバのソロ、何にします?」と言われて
シェンクは、出せなかった…💦
出して、「こんな曲です」って弾いても
周りの反応を見て
「あっ、違いますかね…」と
引っ込めたこともあった気がします…💦
なので、シェンクの作品を取り上げる時は
彼を中心にしたプログラムで
じっくり深めようと思っていました。
ちょうど10年前に、願いが叶い
シェンクの「ラインのニンフ」で
プログラムを組んだ演奏会をやりました。
この曲集はop.8、
1702年にアムステルダムで出版されたものです。
全曲がガンバ2台のために書かれています。
色彩感溢れる重音を豊かに使い
もう一台のガンバが力強く旋律を歌う
2台ガンバの表現力を
彼の地域、時代的立ち位置の中で
具現化した作品集でした。
「ソナタ」ということになっていますが
舞曲も多く
例えば、フランスものの組曲では
あまり出てこない舞曲も入っていて
演奏経験が浅い舞曲も
奏法をもっと勉強していきたいと
その時、思ったのを覚えています。
今回、演奏会でメインに取り上げる
彼の「楽の戯れ」は組曲形式で、
ガンバと通奏低音のために書かれています。
それを、テオルボとのデュオという形で
取り組んでいくとになりました。
〈続きます〉
#schenck #楽の戯れ #scherzimusicali
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=214630838077070&id=100085904645327