お世話になっております。
私の新譜、「ドゥマシの熱い鼓動」は
12月24日に、全国のレコード店にて
販売開始となります。
海外からも、アマゾンでご購入いただけます。
ご希望の方は、個別にご連絡下さい。
ご購入いただけます。
よろしくお願いいたします。
フランスでは、数多く
ヴィオラダガンバの作品が出版されました。
私はその中からも
ごく初期のものを選び、演奏しました。
ドゥマシ、
彼は生没年はおろか
本名さえ伝わっていません。
青年マレが最初のヴィオール曲集を出した時
すでに彼は、年老いていたようです。
彼が生涯で残した唯一のヴィオール曲集に
全8曲ある組曲から
前半の4曲、すべての小品を録音しました。
後半も、いずれお届けする予定でいます。
ドゥマシの、音楽史上の評価は
決して、高いものではありません。
その理由は、ニューグローブに書いてあるので
ここではあえて触れません。
けれど、私は彼の作品を心から愛し
機会がある度に演奏してきました。
彼は、ヴィオラダガンバ1台のために
全曲無伴奏でこの曲集を書き上げました。
私はヴィオラダガンバしか演奏しない音楽家です。
毎日、自分の愛器に触れるたび
様子が違い
瞬間瞬間に、異なる表情を見せる
まるで意思を持ち、命を持つかのような
パートナーである楽器と
ドゥマシの世界を旅する時間は
色とりどりの、
豊かな世界を見せてくれました。
録音の内部事情をお話するのは
少し、気が引けるのですが…
今回は、切り貼りを全くなしで
ストレートに撮っていただきました。
それは、私にとっても
新しい挑戦になりました。
それは、単に
私のイメージを具現化したのではなく
楽器の、その瞬間の
ちょっとした響き方、持つ表情
更にはその空間、時間
全てに親和性をもって生まれるものは
古典的な組曲であっても
むしろ、であればこそ
多面性に富み、
多角的なアプローチになったこと
強烈な体験でした。
現代は、固定化された価値観が崩れ
人それぞれの生き方が求められ
個が尊重される時代でもあります。
常に変化するものを大切に心に刻み
瞬間に応じて形にしていく
大きな時代の流れ、その一端の
大切なものを
見せてもらったような気がしました。
そして、無伴奏という「内観」。
私達の世界は様々な情報に溢れていますが
外に目を向けると同時に
自己と対話し、深めることの大切さは
どんな時代が来ても変わらないと思います。
大切な「時間」のお伴として
長く、この作品を愛していただけたら
それに優る歓びはありません。
応援、よろしくお願いいたします。
藍原ゆき