「朗読とヴィオラダガンバで届ける愛の詩」に寄せて⑧
先日の「テレマンの宴」では
応援ありがとうございました。
その時に、お世話になったリュートの佐藤亜紀子さんが
ヘ短調の調性とマッテゾンの性格提示について
興味深い視点を下さいました。
私が今回演奏するプログラム内の
マレ「夢見る女」は
ヘ短調で書かれています。
マッテゾンの理論について
村上曜氏の興味深い文献を見つけたので
私なりに読みながら
曲の解説と代えさせていただきます。
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当時の文献内に
調性による性格を言語化した記述は
いくつか残されているが
マッテゾンは、
「新しく開かれたオーケストラ」(1713年)の中で
細かく性格を記していることがあげられる。
上記の文献の中でヘ短調は
温和、冷静、重々しさ、絶望、不安
を、調性格としてあげている。
当時の、他の文献で述べられた
ヘ短調の調性格と照らし合わせると
ヴィオラダガンバ奏者であるルソーは
「明解な教程」(1691)の中で、
・不安・嘆き
マシンの「新しい作曲規則論」(1697)では
・悲しみ、沈痛
シャルパンティエの「作曲の諸規則」(1692)では
・陰鬱・不平
と、性格付けている。
それらのキーワードが生まれる背景には
どの様な考え方、イメージ、
共通認識があったのか
少し、推察してみたい。
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古代ギリシアにおいては
数学、音楽と天文学が
互いに関連し合い理論構成されていたのは
よく知られていることだが
バルトロス著の「数学的音楽」(1614)に
占星術上の情念論と音程について
述べられている。
それによると「へ音」は「月」である。
教会旋法のなかでは
様々な音階が認められてきたが
それが「長調」「短調」に集約される上で
「陽性、男性性」「陰性、女性性」と
置き換えて差し支えないだろう。
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占星術の中で、「月」は
28日でホロスコープを一周し
2日半で次の星座へと移っていくこともあり
「心の移ろい」を表す。
前世における「太陽」だと信じる人も多く
「無意識」「潜在意識」、
人間の幼児期を司るともされ
「自身の幼心」とも言われる。
占星術における「陰性、女性性」については
あまりに膨大な概念なので
ここにうまくまとめることはできないが
映画「めぐり合う朝」のシーンで
サントコロンブが、
内観するようにヴィオルを弾く中で
亡き妻と対話する姿は印象的であった。
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参考文献
村上曜著「ヨハン・マッテゾンの調性格論とルネサンス魔術的な思考の残滓」
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演奏会のご案内
〈朗読とヴィオラ・ダ・ガンバで届ける愛の詩〉
『かのひと 超訳世界恋愛詩集』菅原敏
マラン・マレ 「人間の声」「アラベスク」他
2024/3/16(土)
淡路町カフェカプッチェットロッソ
11:30〜、14:30〜
3500円 ドリンク&お菓子つき
完全予約制
お申込み
ventvert0403@gmail.com
#朗読とヴィオラダガンバで届ける愛の詩