「Tヒュームの世界」に寄せて④
「北の空に想いを寄せて」の公演を終え
後回しにしてしまったことを一通りやって
今日、少し落ち着いた気持ちで
新たに、ヒュームの作品と
向き合うことができた。
今回、演奏会で取り上げる曲集
ヒュームの「第一アリア集」は
タブラチュアで書かれている部分が多い。
タブラチュアとは
フレット上で、どこを押さえるかの指示に
音価表記を加えたもので
ドゥマシの「ヴィオル曲集」にも見られる。
バロック時代には、主にリュート属の間で
広く知られていた記譜法である。
タブラチュアに限らず
当時の楽譜は
小節線が現代と違う感覚で扱われている。
記譜法の歴史をたどると
そもそも、小節線は表記せず
「読みにくいから」という現実的な理由で
メモ程度に書かれていたものが
今では、記譜法の決まりごととなり
楽譜の読み方を教える時には
拍子と合わせて、限定条件のようになっている。
ヒュームの楽譜は
小節線があったり、なかったり…
ある所と、ない所で
なにか演奏解釈のヒントになるのか
そう思って見たこともあったけれど。
「ランダムなのかも」という所に落ち着いた。
私達は、つい
「全てに意味がある」という前提で
物事を見てしまったり
主観的に当てはめてしまうことで
偏りや、枠組みを作ることが
あるような気がする。
ランダム、というか
偶然に現れたものをそのまま受け止め
味わう所に
心の波長を合わせると
ヒュームが語りかけてくれることと
近くなれる気がした。
【演奏会のご案内】
藍原ゆきのヴィオラダガンバ カフェ
Tヒュームの世界
2024/11/17(日)13:30開場、14:00開演
3500円(要予約)ワンドリンク&お菓子付き
会場:カフェヴェルデ
東京都世田谷区松原3-33-5
京王線、東急世田谷線下高井戸駅より徒歩3分
プログラム:トバイアス・ヒューム
『フランス、ポーランド等の第一アリア集
(キャプテンヒュームの音楽的ユーモア)』より
1605年ロンドン出版
「一つの問い」「一つの答え」
「キャプテンヒュームのパヴァーヌ」
「愛の別れ」
「死ぬこと」「生きること」「再び善きこと」他
お問い合わせ、お申し込みはこちら
http://yuki-aihara.com/contact
当演奏会関連記事
https://note.com/shiny_dahlia839/m/m50242624b53b
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