2025.01.13
「フランスいにしえの吐息」に寄せて⑤

今回の新譜「いにしえの吐息」は
長い期間をかけて温めてきたプログラムで
私達は、CD化の前に演奏会をしました。

沢山の、温かいお客様に囲まれて
このプログラムを演奏できたことは
録音に際しても、心の励みになりました。

演奏会に向けて書いていた文章を
ここでまたご紹介したいと思います。
今読み返すと
当時の想いが蘇って
なんとも言えない気持ちになります。

お付き合い下さい。

※※※

「フランスいにしえの吐息」に寄せて⑤

マラン・マレは、
1656年5月31日にパリで
洗礼を受けた記録が残っています。
1728年8月15日にこの世を去りました。

父親は靴職人で
決して裕福ではなかったと伝えられていますが
幼少期のマレは
サンジェルマンの少年合唱を経て
1667年に、
ロクセロワ教会で音楽教育を受けることとなり
1672年まで在籍しました。
そこでヴィオラダガンバの奏法も
学んだようです。

有名な、サントコロンブとの師弟関係については
後で触れていくことにしましょう。

1675年頃には
パリのオペラ座で演奏するようになります。
そして、1679年には
ルイ14世の宮廷ヴィオラダガンバ奏者として
勤め始めます。

1686年に
最初のヴィオラダガンバ曲集を出版し
その生涯に渡り、
5巻まで出版されました。
彼の作品は
ヴィオラダガンバのためのみに留まらず
室内楽を始め歌劇、宗教曲など
幅広いものでした。

1706年には、カンプラの後任として
パリオペラ座管弦楽団の
指揮者に就任しています。

(続きます)

2023年9月23日記

France, the ancient sigh
ヴィオラダガンバ 藍原ゆき
チェンバロ 渡邊温子

2025/01/15から全国発売開始
https://amzn.to/3WffjI0

disk1
マラン・マレ
「1台もしくは2台のヴィオルのための曲集」1686年パリ
Marin Marais
“Pièces a une et deux violes” 1686 Paris
組曲ニ短調 Suite in D minor
「ヴィオルと通奏低音のための曲集第二巻」1701年パリ
“Pièces de violes & basse-continues du second Livre de pieces de Viole” 1701 Paris
組曲ニ長調 Suite in D major

disk2
フランソワ・クープラン
「クラブサン曲集第四巻」1730年パリ
François Couperin
Quatrième Livre de Pièces de Clavecin
第27オルドルロ短調
Vingt-septième Ordre in B minor
「ヴィオルと通奏低音のための曲集第二巻」1701年パリ
“Pièces de violes & basse-continues du second Livre de pieces de Viole” 1701 Paris
組曲ロ短調
Suite in B minor

Recorded at 17,18,19/04/2024 Studio Piotita Tokyo
Japan
使用ヴィオラダガンバ
Michel Colichon, Paris 1693年モデル
Pierre Bohr, Milano 2001年製製作
使用チェンバロ
Pascal-Joseph Taskin モデル
Eizo Hori, 1989年作製
調律、調整 横溝昌一

Producer Yuki Aihara, Atsuko Watanabe
Co.producer Atushi Sano
Mixing engineer Kazuhiko Nakao
Mastering engineer Kazuhiko Nakao
Art director Yoshiyasu Miyano
Photographer Yoshihiko Sakai

fiammetta 2024 FMOE-003

#フランスいにしえの吐息