2025.03.31
【ヴィオラダガンバ練習曲についての私見⑤】

【ヴィオラダガンバ練習曲についての私見⑤】

少し、これまでの話とはズレてしまうのですが
新鮮な気持ちで、書きたかったので
お付き合い下さい。

昨日は、音庵春の演奏会でした。

うちでは毎年、春と秋の2回
生徒さんたちと演奏会をしていまして
春は、いつも渡邊温子さんにご協力いただき
チェンバロとの会になります。

今年は、いつもと違う試みをしたくて
パーカッションの佐野篤さんにも
ご協力をお願いしました。

その中で、いろいろ思うことがありました。

※※※

ヴィオラダガンバの音は、その太い弦により
楽器の中でも、音の立ち上がりがゆっくりで
音作りにもとても神経を使う楽器だと思います。

どんな楽器でも
音作りに神経を使うのは当たり前です。
それに、そこまでうちの生徒さん方が
音作りに心を込めるというのは
指導者として、大きな誇りでもあります。

そうなのですが、私が言いたかったのは
レッスンの中で
音作りに
全神経を持っていかれてしまう生徒さんに対し
どう視野を広げてもらい
曲を総合的に捉えてもらうか
それについて、考えたかったということです。

※※※

私がレッスンの中で
生徒さんとなるべく一緒に演奏することは
前に書いた通りで
それには、音に含まれる様々な表情を取り込んで
自分のイメージに入れてほしいという
願いでもあります。

ただ、ヴィオラダガンバ同士というだけでなく
チェンバロとの共演ということが
教えてくれることがたくさんあります。

それは、通奏低音と一緒に演奏するという
演奏様式に触れる意味以前に
音作りにとっても
とても、参考になる経験だと思います。

例えば、
フレーズをきれいに収める音が欲しいとき
チェンバロ奏者に助けられた経験があれば
その時の音運びをイメージすることで
表現豊かな音になります。

※※※

今回、パーカッションとの共演を試みたのは
そういった意味で
表現の幅を広げる学習を
みんなで一緒にしたかったからです。

物理的なボーイングの特性に
どうしてもリズムや拍子感が影響されて
それが習慣になってしまいがちな中で
チェンバロに、助けられる所があります。

けれど、チェンバロの役割は
和声感の具体的な提示や
対旋律をチェンバロのアプローチとして
歌ったり、などなど
多岐にわたります。

今回、リズムや拍子感にダイレクトに作用する
パーカッションが入ることで
チェンバロも、
これまでのヴィオラダガンバの伴奏とは異なる
とても開放的な表現をしていただけました。

その中で、出演された生徒さんから
今日は喜びのご感想が寄せられて
幸せな1日でした。

(続きます)

https://note.com/shiny_dahlia839/m/m62d4175e40ca

#ヴィオラダガンバ練習曲についての私見

※※※

【ヴィオラダガンバ教室のご案内】

音庵(東京都世田谷区)、楽庵(長野県茅野市)の2か所でヴィオラダガンバの音楽教室を開いています。
主に個人レッスンです。
曜日や頻度を固定せず、お互いに予定を合わせてレッスン日を決めているので、お忙しい方でも無理なく学ぶことができます。
初回のみ、無料体験レッスンを受けられるのでお気軽にお問い合わせください。

公式サイト
https://yuki-aihara.com

音楽教室
https://yuki-aihara.com/lesson

お問い合わせ
https://yuki-aihara.com/contact

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藍原ゆき
ヴィオラダガンバ奏者。フィアンメッタレーベル代表(2023年にメジャー化)。
東京都立芸術高等学校音楽理論科卒。
ミラノ市立音楽院を経てトリノ国立音楽院にて学位を取得。南欧各地で演奏活動を行い、研鑽を積む。
西洋占術を愛月日奈子に師事。作品の背景や世界観を独自の視点で紹介する。