2025.05.10
2020年以降の世界と、「ドゥマシの熱い鼓動」

【2020年以降の世界と、「ドゥマシの熱い鼓動」】

18日のカフェコンサートは
よろしくお願いします。

プログラムの中では、
CD「ドゥマシの熱い鼓動」で収録した曲も演奏するので
録音したときのことをたくさん思い出す。

※※※

2020年以降、
私達は大きな過渡期の入口に差し掛かった。

その一つは
言うまでもなく、新型コロナ。
物理的にも、思想的にも大きな分断が生まれた。

そして、2022年から急激に
AIが作成した文章が世の中に出始めた。

AIは、言語を様々なパターンで学習していく。
特定の単語が来たら、
その後に続くものはなにか
膨大な数の、既存のパターンを覚えていく。

人間の子供が言葉を学習するときにも
やはり、同様のプロセスはたどるけれど
人間には感性、心があるので
「好きか嫌いか」「自分はどうしたいのか」
そこが大きく関わっていく。

これからどういう世の中になるのか
私にはよくわからないけれど
今のところ、
AIには心や感性はないことになっている。

世界がAIによる言語という新しいものに触れた
その始まりが2022年と言われている。

※※※

「ドゥマシの熱い鼓動」は
2023年の夏に録音した。

アルバム全曲を無伴奏で作るのは
初めてだった。

楽器奏者にも様々なタイプがいるけれど
私は楽器の微細な変化も
気になってしまう方で
全曲無伴奏の取り組みは
自分が作ってきた演奏解釈
イメージする音や響きと
楽器が受ける波動や支え
更には録音している空間、その先まで
親和性を持って連動させていく手探りの工夫
それらの連続だった。

主体性はもちろん必要なのだけれど
私が演奏内容を一人で決めるのではない
誰と対話しているのかもわからない
抽象的なその相手は
果たして、自分の外にいるのか、中にいるのか
おそらく、両方だったと思うけれど。

不思議な対話の積み重ねで、感じたのは
録音で、私が一人で作り出したのではない「音」
それは、今まで存在していたどの「音」とも違う
全く新しいなにかだということ。

録音中、曲を弾き始めて
そこからどういうエネルギー展開が
繰り広げられるのか
予想がつかない。
「今」に集中していくと
それが、後にも先にも存在しない
唯一無二のものであると強く思った。

※※※

CDの発売記念演奏会でも
その感覚はあった。

演奏会なので
ご来場くださるお客様が一緒に
見守ってくださって
一緒に、その場で新しく生まれていくものを
作っていただくのだなと思った。

今、カフェコンサートに向けて
収録曲を準備しているけれど
新しい気付きがたくさんあり
突き動かされるような楽しさを感じる。

1685年に出版された、
ドゥマシの「ヴィオル曲集」
これからも、それぞれの時代において
生き続けていくと思う。

※※※

藍原ゆきのヴィオラダガンバカフェ
【ドゥマシの世界】

2025年5月18日
13:30開場、14:00開演
3500円ワンドリンク、スイーツ付き
カフェヴェルデ
京王線、東急世田谷線下高井戸駅より徒歩3分

プログラム
ドゥマシ「ヴィオル曲集」1685年パリ出版より

2023年に発表したCD「ドゥマシの熱い鼓動」、ご好評いただき感謝しております。今回は収録曲から組曲を一つ、そしてCD未収録の組曲も一つ選んで、プログラムを組みました。
ドゥマシの物語はまだ続きます。応援よろしくお願いいたします。

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アルバム「ドゥマシの熱い鼓動」好評発売中
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#ドゥマシの世界